羊からショップまで
スキャバルは、世界の最高級生地の中でも突出して革新的な新製品を毎年発表しています。 2009年には世界初のゴールド、プラチナのストライプ生地、 ”Treasure Box”(トレジャー・ボックス)コレクションを発表しました。今年は3種類の画期的な高級製品 �Expression”(エクスプレッション)、 ”Vicuna Jacketing”(ビキューナ・ジャケッティング)、” Riverside”(リバーサイド)をご用意しています。
(写真)草を食むビキューナ
“Expression”(エクスプレッション):贅沢な希少繊維最高にエレガントでありながら極上の着心地を求める男性の要求に応えて、軽量のスーパー 200’sにビキューナとチンチラを混紡した、” Expression”を発表します。見た目の素晴らしさ、贅沢な風合い、柔らかな感触を特徴とするこの生地は自然なドレープが着る人を引き立て、最高の着心地である。 240gの生地のベースは、超細13ミクロンクラスのスーパー 200’sメリノウールです。最新の紡績技術を使って、希少性と極上の柔らかさで珍重されるビキューナとチンチラの繊維をウールとブレンドしました。
伝統的な織り「この貴重でデリケートな繊維は英国繊維産業の中心地、ヨークシャーにあるスキャバルの工場で働く熟練した織工がブレンドしています」とチーフデザイナー、マイケル・デイ氏は語ります。「先祖伝来の伝統的な技術を用いています。” Expression”は現在市場に存在する最高の生地のひとつであるのみでなく、服作りの様々な段階でテーラーが仕立てやすいように工夫されています。高級服を作るのに必要なサポート、多様性、ドレープは最近の服作りでは忘れられがちです。伝統的な製造工程を完成させるべく、スキャバルは “ London Shrunk”(ロンドン・シュランク)仕上げのあと、独自の “ Paper Press”(ペーパー・プレス)を施しています。これは最後の仕上げで高度な熟練が求められるプレス法で、生地に高級感のある光沢がうまれます。
(写真)ハダースフィールドの川の流れのような “ Riverside”(リバーサイド)
ビキューナとチンチラスキャバルは、” Expression”の仕上がった時の手触りを考慮し、繊細さと柔らかな感触で知られるビキューナとチンチラを選択しました。事実、多くの生地専門家が、ビキューナはテーラーに提供できる最高級の天然生地であると考えています。
スキャバルが輸入するビキューナの原毛はCITES(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」)の認証を得ており、これは原毛が偽りなく許可をうけたオリジナル商品であり、今日の競争市場における希少品である事を保障するものです。
インカの王族が崇めたビキューナ。中に空気を含んだビキューナの毛はそのデリケートでふんわりとした感触が大変珍重されたため、敏捷で小柄なラクダ科のこの動物はアンデス高地で乱獲され絶滅の危機に瀕しました。現在は保護されており、棲息数は特にペルーで劇的に回復しました。チンチラもアンデス地方の山岳地帯に生息する動物で、非常に細く高価な毛を求めて乱獲され、絶滅寸前に追い込まれました。
最高級「エクスプレッション」はエレガントなソフトストライプと無地が14種類揃っています。グレーとブルーのクラシックなダーク系に加え、ブルーとベージュの明るめの色合いもあります。
ビキューナのジャケット地:時を超える贅沢スキャバルは2008年冬に世界初のウーステッドスパンのビキューナ 100%スーツ地を発表しました。その後も革新を続け、ウーステッドビキューナ97%にシルクを3%加えたビキューナのジャケット地を開発。「紡績の工程で糸に安定性と強度を付加するために、シルクを加えました。ビキューナ繊維はきわめて短く細いので、紡績が難しいのです。」とファブリック・デザイン部門のノラ・クレーマーは語ります。
手作業による選別「ウーステッドビキューナの紡績は難しい。強撚糸の繊維は長くなくてはいけないのに、ビキューナ繊維の大部分はとても短いからです。ですから、フリース状の毛を手で選別して、高度な梳毛紡績に向く長繊維だけを選り分けるのです。」以前は100%ビキューナのジャケット地は、ナチュラル、黒、ブルーの3色しかありませんでしたが、今回スキャバルは新しいカラーとデザインを加えました。デザインは10種類。ヘリンボーンが 5種類、ヘリンボーンの織地にウィンドウペーンを重ねたデザインが5種類。カラーは、クラシックな定番のブラウン、ダークグレー、グリーングレー、ネイビーブルー、黒。
“Riverside”(リバーサイド):水から生まれる柔軟性新スキャバル・コレクションの最後を飾る “ Riverside”は、スーパー 120’sを使った、素晴らしい手触りの 290gスーツ地。英国ハダースフィールドのスキャバル自社工場で製造。” Riverside”はペニー川の軟水で精錬され、スーパー120’sウールでは難しいとされる自然な仕上がりと柔らかな感触を実現しています。「スキャバル工場のほとりを流れるコルン川の天然水で精錬した繊維を使った生地ということで、このスーツ地を「リバーサイド」と名づけました」とスキャバルの Bower Roebuck(バゥワー・ローバック)製織工場の責任者ロナルド・ホールは説明します。「ペナイン山脈のピート層で通過された弱酸性水のおかげで、この地で世界最高級の生地が作れるのです。」
柔らかな感触軽めの冬用生地はエレガントかつファンシーで、ソフトカラーからヘアラインまでのストライプ、ミディアム~ダークのフォーマルカラー54製品で構成されています。軟水のおかげで製織後のナチュラルな仕上がりが可能になります。水の前処理や人工的な軟化を必要とせず、自然の石鹸を使うようなものです。この天然のプロセスにより、通常のスーパー 120’sでは不可能だった柔らかな感触が生まれ、皮膚へのアレルギー的な作用も軽減されると考えられます。「製織は技術ですが、高級生地の創作は手に入る資源を利用した芸術です」。と、ロナルド・ホールは言います。
ここが違う!
商品に「自分らしさ」を求める男性が多くなりました。それが大事であればあるほど、彼らは独自性を追及します。それは「カスタマイゼーション」と呼ばれ、スキャバルの成長の原動力になっています。
(写真)スキャバルの新ラベル。単なる誂えではなく、” Made By You”(メイド・バイ・ユー) =(お客様によって作られた服)である。
過去40年間、ファッション界では標準化と海外分散生産が進む中、スキャバルはカスタマイゼーションと欧州における垂直統合を進めました。英国で織った高級生地を使い、注文はブリュッセルに、服の仕立てはドイツに集中させました。このようにしてスキャバルは世界中に誂え服を供給しています。
スキャバルの先進性スキャバル・グループCEOのグレゴー・ティッセン氏は「グローバルな規模でカスタマイゼーションを始めた衣料会社はスキャバル」だと言います。「全世界で誂え服を供給するための経験、インフラ、生地の在庫能力、柔軟な生産体制がすべて揃っているのです。これらの資産のおかげで、業績、顧客選択の両面で優位に立てるのです。」スキャバルは 1930年代に、カスタマイゼーションの生みの親とも言うべき、ビスポーク・テーラーに生地を売る服地商としてスタートしました。以来、スキャバルはこの仕事よく把握していました。やがてビスポーク・テーラーの数は減少していきましたが、スキャバルはこのコンセプトに着目し事業の中核としました。スキャバルは英国の工場で生産した生地を世界中のテーラー、デザイナー、ブティックに販売し、ドイツの注文服生産設備で既製服も生産していますが、カスタマイゼーションがスキャバルの特徴と方向性を決定づけています。
自らがデザイナーになる「カスタマイゼーションは、お客様がブランドの独裁から解放され、自分自身のデザイナーになる、ということです。私共はお客様にアドバイスやガイドラインをご提示しますが、服の個性を出すのに重要な要素である生地、スタイル、カット、仕上げを決めるのはお客様ご自身です。最後にお客様がデザイナーになる。だから’ Made by you”(メイド・バイ・ユー)」なのです。」とグレゴーは説明する。
カジュアルへの広がりスキャバルは誂え服ビジネスで最初の成功をおさめましたが、オフィスウェアのカジュアル化とレジャーウェアの個性化というふたつの流れに合わせて、フォーマル感をおさえた服へ事業を拡大しています。最近の例では、裏地、芯地、肩パッドを取り除いたシャツ感覚のソフトジャケットがあります。くだけたしゃれ感と夏向けの涼しさで、” giacca-camicia”(ジャッカ・カミチア =イタリア語でシャツ・ジャケット)がイタリアで人気を呼んでいる。スキャバルの価値観を写したこの新ラインはカジュアルかつエレガントであり、パーソナライゼーションによる特別なサイズ感を実現している。生地はもちろんのこと、台襟や肘当ての生地、自分だけの刺繍、その他のオプションを自由に選べます。カスタマイゼーションは寸法だけにとどまらず、よりパーソナルなチョイスにも及びます。
全過程に徹底するスキャバルは戦略的にカスタマイゼーションを事業活動の前面に押し出しており、生地の生産から一流店舗を介した流通、服作りに至るまで多額の投資をおこなってきました。生地の生産においては、英国繊維産業の中心地ハダースフィールドにあるスキャバルの自社工場はあらゆるウェイト、織組織、デザインの何千種類という生地を生産する能力と柔軟性を備えています。お客様の名前を織り込むこともできます。
テーラーに鍛えられた労働力ドイツのザールブリュッケンにあるスキャバルの誂え服生産設備では、注文どおりに服が組み立てられます。まさにカスタマイゼーションの発電所、パーソナライゼーションと品質管理の原動力であり、スキャバルの世界展開に欠かせない存在です。
技術部長 Mario Arcuri(マリオ・アーキュリ)は次のように説明します。「スキャバルの No.12コレクションについてはイタリア国内で手作業による高度な裁断と仕上げをおこなっていますが、誂え服の大部分はここドイツ国内で生産されます。ここで働く熟練仕立工はテーラーで修行を積み、誂え服作りの複雑さを十分に理解しています。毎日、個々に異なるジャケットの袖やスーツを縫うのは特殊な技能が必要です。」
IT化大規模にカスタマイゼーションを実現できるのは先進技術があるからこそ。入って来る注文はカット、ステッチ、プロセスなどの詳細が次々にエンコードされます。 CAD(コンピューターを使った設計システム)が生地の裁断と利用を最適化し、自動化インターフェースがブリュッセルの生地在庫に注文を送る。「スキャバルは欧州の中規模企業としてSAP ITシステムに初めて投資した会社です。最先端の構成・裁断技術など、その時点で最高の工業設備と技術に投資してきました。」とアーキュリ。この ITシステムはカスタマイゼーションの注文・組立てプロセスの変数に対応するべくアップグレードを繰り返してきました。生地は 5000種類を超え、服のパーソナル化は、寸法、スタイル、襟、ボタンホールなど、それこそ無限大であるため、スキャバルのITシステムは何百万というオプションに対応できます。「服のカスタム化は複雑なプロセスであり、スキャバルはそれができる数少ない企業のひとつです。カスタム化の要は、市場の要求を効果的に生産に具体化させることです。誂えのニーズに対応するため寸法、尺度、フィットについては基本的な既製服モデルを採用するのに加えて、スキャバルは小売店が効果的に発注できるようにするツールを用意しました。サイズ、シェイプ、オプションを網羅したシーズンブックで、生産と納品の既定の予定表もついています。また、誂えについて小売店への技術的支援も重要です。スキャバルの担当者は全員が世界中の店舗を支援する能力を備えています。」
ヒューマン・タッチしかし、おわかりのようにコンピューターは万能でありえないし、万能であるべきではありません。スキャバル哲学を守るシステムには、人間的要素が組み込まれています。技術チームが注文をひとつずつチェックし、エラーを除き、服作りのプロセスに人間的な視野を加えるのです。例えば、数学的に計算されたラインを人間が補正することにより更にエレガントに沿う服が生まれます。服を着るのは機械ではなく人間なのですから。
顧客の特性これまでスキャバルは ‘ Made By You”のお客様を3つの基本タイプに分けてきました。ジャケット丈、ウエストの締め具合、パンツの幅、流行の生地など細かい指示をされる「メイド・トゥー・ファッション」のお客様。実際のフィット感を重視し、自分の体に合わせた快適性をアドバイザーに相談する「メイド・トゥ・メジャー」の熱烈なファン。3番目は、特別な生地や裏地、ボタン、刺繍、コントラストをきかせた台襟などで独自の個性を際立たせようとする「メイド・トゥ・チョイス」のお客様。これらの3タイプのコンビネーションも可能です。
カスタマイゼーションの簡易化へのステップグレゴー・ティッセン氏は言います。「カスタマイゼーションは将来弊社の事業の核になるでしょう。課題は、お客様にとってシステムが複雑でないようにすることです。まず、 ITを利用した完璧なオンライン発注システムの構築を考えており、世界共通の注文書を小売店に配布します。まず、カスタマイゼーションの注文プロセスを標準化して注文を正確に受諾し処理すること。第二に、お客様の選択を手助けするツールが必要です。お客様に提示する内容を視覚化するツールを現在開発しています。この製品を着るとこんなふうに見えることがわかると、’ Made By You’のお買い物がぐんと楽になるはずです。」
(写真)ドイツにあるスキャバルの統合生産設備はカスタマイゼーションの夢を現実にする。
信頼の置ける人材
スキャバルの心臓部について自己宣伝に甘んじることなく伝える、というBespokenにとっての新たな挑戦。果たして成功しただろうか?
(写真) 若くダイナミックなスキャバルのマーケティングチーム左からWilfried Redant, Jerome Stefanski, Tania Herregodts, Sylvain Gadeyne, Kristel Geets, Celine Van Cauwelaert
かつてメディアに多額の費用を使った広告主が最大の売上げを約束された時代がありました。販売する製品の品質に関係なく、発信されるイメージとメディアの遍在が組み合わされば、消費者はいとも簡単に従いました。しかしながら、この権力が悪用されることも多かった。今日ではこのような基盤に立ったままでは、現下の不況を乗り切れないことがわかってきました。この手法に頼ってきたブランドは沈没こそしないものの、事業を元通りに回復させることが極めて困難であるとわかったのです。一部の高級ブランドは、「マーケティング」という言葉が生まれる以前の、創業時の価値観に立ち戻ることの重要性を再認識しています。時計メーカーのパテック・フィリップや、アストン・マーティン、革製品のデルボーなどがその例で、スキャバルも例外ではありません。これらのブランドに共通するものは何でしょうか。それは、模範的な労働条件のもとで生産される完璧な製品です。これからご説明しましょう。
創業時から存在したマーケティングスキャバルでは創業時から、マーケティングという強い概念が存在していました。意識していたのか本能的なものであったかは定かではありませんが、「市場を意識して」選択がおこなわれたことだけは確かです。製品について言えば、革新を旨とするスキャバルはスーパー 100’s、スーパー120’sといった品質を開発し市場展開した先駆者です。このような技術革新は斬新なマーケティングによって支えられていました。まず品質を特徴づけ、販売促進をしました。その後、高級生地市場におけるスキャバルの名声を不動のものにする新製品が投入されました。 “ Summit”(サミット:スーパー200’sとカシミヤ)、” Diamond Chip”(ダイヤモンド・チップ :ダイヤモンドの粉を織り込んだ生地)、” Gold Treasure”(ゴールド・トレジャー :金糸を織り込んだ生地)、 100%ビキューナなど。そして忘れてはならないのが、もちろん ‘ Made in England”の伝統です。
これが現在のスキャバルの基本方針:世界中の小売店を確実にサポートすること
スキャバルは服作りでも革新を進め、誂え服市場でその中心的地位を強化しています。現在、多くのブランドがカスタマイゼーションに走っていますが、スキャバルは創業時からパーソナル化をその存在理由としています。
実用的で美しい優れた製品のモノづくりと、それを市場に提示、促進、包装する方法に長けていることは別です。今は誰でも知っているバンチを最初に考案したのはスキャバルであることを今更説明する必要はないでしょう。実用的で美しく持ち運びも便利なバンチは、紹介されると大きな話題になりました。その2~3年後に高級生地を集めたスキャバルのプレゼン用ケースが登場しましたが、これはブリュッセルの熟練した職人が手作業で製作しています。製品を宣伝するためスキャバルは人的要素に重点を置いています。キャンペーンはアイデアを交換、協議、熟考したのちに発表されます。 2000年以来、情報発信戦略は PR活動、インターネットやイベントを介したダイレクト・マーケティングが主体です。キャンペーンは従来型の広告代理店に委託し、広告代理店はBespoken(ビスポークン)のページのレイアウトも担当しています。絶好の PRツールビスポークンはスキャバルにとって非常に重要であり、長年蓄積された知識や経験や一流品の見方などを伝えるのに役立ちます。時を経て服地市場でスキャバルが築いてきた名声や専門性のおかげで、スキャバルは市場で不動の地位を得てきました。
神は小売にあり世界中の小売店に確かなサポートをおこなうことが現在のスキャバル戦略の基本です。市場を把握することが大切ですが、ここ 5年のあいだに顧客層が変わってきました。最大の変化は年齢層で、かつては 50才以上であったものが最近では 35才以上の年齢層になっています。その結果、製品の独創性とコンテンポラリー感覚を強化しつつ、できあがった製品とサービスの質の高さを維持することが、既存客をつなぎ止め新規顧客を引き付けるために大変重要となります。スキャバルを取り扱う世界中の小売店が独自の顧客ベースに対して促進努力するのを助けるためには、専門の社内チームが必須です。チームのメンバーはそれぞれが専門の担当を持っていますが、スキャバルの事業全体の中では各自連携して、スキャバルの名前を広めるのに必要なツールを世界の小売店に届ける原動力になっています。それでは彼らの一人一人を紹介しましょう。
(写真) 左:ブリュッセルのスキャバル社で手作りされた高級生地のパッケージ右:スキャバルが考案したバンチマーケティング・チーム
Tania Herregodts勤続年数20年近く、マーケティング部の活動とCEOのティッセン氏をリンクさせるキーパーソン。 Wilfried Redant
スキャバルのウェブサイト管理人で、特にコンテンツ管理の要。元々は、米国市場において特に重要なオンライン・ファブリック・カタログ (5000種類以上ある )制作のために入社した。e-ニュースレターの責任者でもある。
Jerome Stefanski記事、画像から広告まで、Bespokenの全体責任者。また、スキャバルと価値観を共有する一流ブランド(マセラッティ、ジャガー、リュイナール、ボナール・ダイアモンド、レミー・マタン等)との間で販売やマーケティングのパートナーシップを構築するBespoken Clubの推進者でもある。 Celine Van Cauwelaert
販売マーケティングのアシスタント。マーケティング、社内営業部、小売店を結ぶ役目。スキャバルの小売パートナーを、マーケティング面で全面的にサポートする。促進資材を企画、調整し、世界中の小売店へ届ける役割もある。
Sylvain Gadeyne
ビジュアル・マーチャンダイザー。店舗全体でのスキャバルのイメージがスタイリング面で統一されるよう、精力的に欧州で動き回っている。主要ショールームの「外観と感性」にも責任を負うほか、写真撮影のアドバイスもおこなう。
Kristel Geetsコミュニケーション・コーディネーター。マーケティング部の核心的存在。写真撮影、PR、広告代理店、 POS資材の制作、広報、広告キャンペーンを仕切る。 5ヶ国語を操る彼女は国際コミュニケーションの責任者でもある。
どの企業にも言えることだが、マーケティング部の社員相互の意思疎通と交流活動は重要であり、チーム一丸で働くことで小売店が必要とするツールを届けることができます。
「製品とサービスは、スキャバルと競合ブランドとを差別化するのみならず、スキャバルが発信するメッセージを強調するものでもあります。」とグレゴー・ティッセン氏は言います。販売主導マーケティングの核心にあるこの力点は、国内国外を問わずスキャバルの世界的活動に広がっています。この点の重要性と小売業者との関わりは、双方共通の目標に向かうパートナーシップとして見事に結実しています。今年初めにはベルギーにおいてスキャバルとマセラッティが提携して現地小売店においてふたつのイベントを企画しました。既存と新規の顧客にスーツとクルマの誂えオプションがお披露目されました。これがBespoken Club(ビスポークン・クラブ)の主な機能です。本物と革新の価値観を共有する同レベルの国際ブランドが集結してイベントを企画し、それぞれの顧客を招待します。「スタイル、デザイン、分別の重視はマセラッティも同じで、スキャバルとの理想的な提携が実現しました。」とマセラッティのマーケティング部長ベネルクス・ローラン・デ・バッカー。イベントの成功により、現地小売店を重視し連携するスキャバルの指針が強化されました。しかし、これがスキャバルブランドのあるべき姿でしょうか?「いいえ、改善を継続のために継続したプロセス、そして、更なる改善が待っています。」とティッセン氏は答えます。
(写真)左:2001-2002年秋冬の広告キャンペーン右:2010-2011年秋冬の広告キャンペーン。10年もたたないうちに製品とイメージが大きく進化した。
世界を駆けるスキャバル
生まれながらのテーラー
服地のサプライヤーとしてスキャバルは世界の一流テーラーと接する機会があります。今回は、ミラノの伝統的なテーラー、5代目A. Caraceni(A.カラチェーニ)に取材しました。
(写真) カルロ・アンドレアッキオと妻のリタマリア・カラチェーニ、息子のマッシミリアーノ
マスターテーラー(イタリア語でsarto)として40年の輝かしいキャリアを持つマリオ・カラセーニにとって忘れえぬ瞬間は、2004年夏に当時19歳の孫マッシミリアーノ・アンドレアッキオが仕立屋になると宣言した時である。狂喜した彼は即座にメディアに連絡しました。現在 24才になるマッシミリアーノにとって、仕立屋になることは選択肢というよりはむしろ定めであった。カラチェーニの名前は、マッシミリアーノの高祖父トマソがイタリアのアブルッツィ地方にあるオルトナ・ア・マーレで腕のいい仕立屋を開業した頃から生地に織り込まれていた。やがて、トマソの3人の息子、ドメニコ、ガリアーノ、アゴスティーノも仕立屋になり1913年にローマでカラチェーニの名前を確立した。 1930年代になると、パリに派遣されたアゴスティーノがカラチェーニ・アトリエの分室を運営したが、第二次世界大戦が勃発して帰国した。戦後の1946年に彼はミラノで自らのアトリエ、A.カラチェーニを設立し、息子のマリオに服作りの技術を仕込んだ。マリオは仕立屋の才能ばかりでなく商才にも恵まれ、40年間に 40人前後の仕立職人を雇って事業を営んだ。その一人であるカルロ・アンドレアッキオがカラチェーニ家の娘リタマリアと結婚し、1998年にマリオが引退した後事業を引き継いだ。以来 10年を経た今、カルロは息子のマッシミリアーノに仕立ての知識と技術を伝えようとしている。「僕はテーラーになるべく生まれた」と5代目の彼は言う。「店は僕にとって学校であり、そこで働く仕立職人は、父も含めて僕の教師です。」彼は常に服作りに情熱を燃やし、他の職業は考えもしなかったと言う。それでも、血筋とはいえ、紳士服の仕立ては弟子である彼にとって簡単ではなかった。「僕は左利きだから、右手縫いに慣れるのはとてもきつかった」と言う。彼は見習いになって5年目である。「仕立てで最も難しいのは肩と袖付けです。」クラシックなカラチェーニのスーツは柔らかな肩と軽量な内部構造だと言う。「祖父によると、このスーツはあまりにも柔らかく肩まわりが自由なのでこれを着てフェンシングができるそうです。」カラチェーニの正確な裁断と作りは熟練した仕立屋でも相当に難しい。祖父のマリオとは一家の秘密を共有する。「縫い目が引きつらないよう余裕を持たせることで服の弾力が生まれ、着る人の体に沿うのです。」マリオは、彼の店の仕立て職人は自らが仕立てたジャケットを着るのだと言う。「この伝統は代がかわっても延々と続くのです。」
(写真) カラチェーニの仕事場。大昔から仕立屋が型紙の線を引く際には蹄鉄が使われる。おまじないなのか?
インタビュー
Bespoken:カラチェーニが他の有名テーラーと異なる点は?カルロ:代々受け継がれてきた独特のスタイルです。我々がファッションを追うのではなく、ファッションが我々を追いかける。スマートで、時代を超越した国際的なスタイルです。特化したスタイルではなく、洗練された着まわしのきくスタイルですね。
「我々の作ったスーツを少なくとも20年は着続けて欲しい。」
既製服で十分満足なので誂え服は着ない、という人に助言するとしたら?問題は、スーツをどのような状況で着るかですね。初めてのお客様にはグレーかダークグレーのスーツをお薦めします。どんな場面でも着ることができる。特別な席できるスーツをお探しならブルー系がいい。生地を選ぶのであれば、丈夫な生地がお薦めです。少なくとも20年は着ていただきたい。もちろんカットも重要です。スーツがうまく体に沿って、着る人の動きを際立たせるのがいい。例えば座った時にパンツやジャケットが上ってしまうのはよくありません。すべてが完璧に揃っていなければ。気取っているわけではありませんが、紹介がある場合のみ新規のお客様を受け付けています。受け入れる前に所定の調査をいたします。唯一の例外は花婿です。花婿の情熱に負けて、ノーとは言えないのです。
今後10年の目標は?常連のお客様のご愛顧をいただき、完璧な作業を保証することです。マッシミリアーノの助けを借りて若い世代のお客様も増やし、若いテーラーを育てたい。彼らがわが社を存続させてくれるはずですから。スーツを作りたいと思う有名人は?サルコジ大統領です。カルラ・ブルーニと結婚してから彼はイタリアのテーラーを頻繁に利用するようになりました。それから、生まれ持った品位のあるオバマ大統領。英国のチャールズ皇太子もエレガントなお方なので色で遊んでみたい。イタリアではスターの服を担当するテーラーとして知られていますね。お得意様を教えてもらえますか?多くの有名人の名前を挙げることはできますが、そういった特殊な顧客と常連のお客様を区別しないことにしています。有名であるか否かにはこだわりません。サービスと品質は同じです。しかし、記録のためということなら、カール・ラガーフェルド、ラルフ・ローレン、アニェッリ家、モラッティ家、 Inter Milan FCのオーナーなどですね。このほかにも大勢いらっしゃいますが公表しません。お客様のプライバシーを守ることが第一ですから。彼らは大抵お忍びでやって来て、陽のあたるバルコニーで生地を見ることもしません。パパラッチに見つかると大変ですからね。仕事場で交渉をすることもありますよ。お客様にはくつろいでいただきたいので。
A. CARACENI: 1930年設立世代:5代目従業員数:35名(内33名が仕立職人)年間のスーツ生産数:約700着 T +39 (0) 2 655 19 72
ニュース
サクセスストーリー
ここ数ヶ月、スキャバルはエキサイティングなプロジェクトに取り組み、成功させています。幾つかをご紹介しましょう。
ハッピー・バースデー、スタークさん!ヴァンドーム広場やオペラ座からさほど遠くない、パリでもとても有名な Rue de la Paixに店を構えるテーラーStark & Sonsは今年創立100周年を迎えます。伝統を重んじる同社は、スキャバルをはじめとする高級生地を使った誂え服と既製服のスーツを作っています。 1910年以来、3代にわたり高級感あふれる試着室で各国の王族、ビル・クリントン、ニコラ・サルコジ、シャルル・ドゴールなど、各界の有名人が完璧主義の仮縫いをおこなってきました。重厚な伝統の後継者としてアラン・スターク氏が 1970年以来その才能駆使し完璧を追及しています。
もう一度 2009年春夏に導入した「デコパック」が成功したスキャバルは、お客様からの要望もあり、新作コレクションの生地を使用した秋冬版の製作を決定しました。手堅い成功。
スタイリッシュなオンライン・ショッピングスキャバルは、オンラインショップ(www.scabal.com/)限定で “ Diamond Chip”(ダイヤモンド・チップ)のネクタイを 6種類販売します。この超高級生地はダイヤモンド片を混ぜ込んだスーパー 150ウール’ s(80%)とシルク(20%)を英国ハダスフィールドのスキャバル自社工場で織ったもので、この冬の必須アイテム。価格は180ユーロに送料。スーツを一層引き立てるばかりでなく、結び目が美しいのも特徴です。” Diamond Chip”専用の手作り限定ボックスに丁寧に包装されます。将来的にはアクセサリーの一部とその他のコレクターズアイテムに限定してオンライン販売する予定です。
アメリカンエクスプレス、ブリオーニ、スキャバルの” Treasure Box”(トレジャー・ボックス)ブリオーニは、長年のパートナーであるスキャバルが開発した高級生地 ” Treasure Box”をアメリカンエクスプレスのプラチナカードをお持ちの方に紹介します。” Treasure Box”コレクションは、ヨーロッパのブリオーニの全店で購入できます。 230g~300gのスーパー150’sウール生地使用で 16デザインあります。最新技術でプラチナ、 22金、24金を生地に練り込んでいるため、” Treasure Box”(宝箱)と名づけました。テーラー・メイド紳士服における究極の贅沢品です。
お気に入りの雑誌をオンラインで Bespokenのバックナンバーにオンラインでアクセスできるようになりました。ズーム、検索、ブラウズ、全画面表示、印刷などユーザーに便利な機能がついています。 www.bespoken.com
スキャバルとデルボー:婦人ジャケットとシャツ年初にパリのAvenue Fochにある豪邸でデルボーの初めてのショーが開催されました。 2010/2011年冬の婦人アクセサリーコレクションの発表で、モデルの美しいボディラインを強調したスキャバルの誂えジャケットとシャツが披露されました。「アントワープ6」デザイナーの一人ヴェロニク・ブランキーノはスキャバルコレクションの” Flannel”(フランネル)、” Pegasus”(ペガサス)、” Favorite”(フェイバリット)、” Donegal”(ドニゴール)、” Trend”(トレンド)、” Luxury Jackets”(ラグジュアリー・ジャケッツ)、” Festival”(フェスティバル)から 20種類の生地をセレクトしました。その結果は、、、セクシーでエレガント。www.delvaux.com
12ポイント、、、、スキャバルの生地! 54年間にわたりユーロビジョン・ソング・コンテスト(Eurovision Song Contest)はEuropean TVの人気番組で1億2200万人超の視聴者がいます。ベルギーから出場した若いトム・ダイスは、ステージ用にスキャバルの” Capri”(カプリ)」コレクションからブルー系の生地を 2点選びました。ウール 100%の無地の生地はアントワープのスキャバルのファブリックカスタマー LGDによって見事なスーツに仕上がりました。今年の大会はノルウェーのオスロで開催され、ショーは 5月25日、27日、29日に生中継されました。テレノール・アリーナ (Telenor Arena)に39カ国の代表が集まり歌声を競い合いました。
www.eurovision.tv
オンステージ!フランドル地方の音楽グループDaanのリーダー、Daniel Stuyvenが注目されています。 Swedish Designer Drugsという歌で有名な彼は、最近のステージ用にスキャバルの” Capri”コレクションから目の覚めるような青のスーツを2着作りました。 www.daan.be
ベン・アインスリがビラン誌に登場オリンピック金メダル3連覇の英国のセーリング選手がスイスの有名誌ビランに登場。スキャバルのタキシードを着て、腕にはコルムのアドミラルズカップ・コンペティション48ブラック&ゴールドの時計を腕にはめて撮影されました。 www.benainslie.com
ウォールストリート・スタイル 1987年製作の大ヒット作、 Wall Street(ウォールストリート)に続くオリバー・ストーン監督作品” Wall Street
II: Money Never Sleeps(ウォールストリート 2:マネー・ネバー・スリープス)。鋭い方はスキャバルの生地を使った極上のスーツを発見できることでしょう。ストーン映画の衣装デザイナーが、” Lifestyle Wool & Cashmere”(ライフスタイル・ウール &カシミヤ) 702410、” Classic”(クラシックス) 701727 & 701760を組み合わせて素晴らしい効果を出しています。生地の詳細はスキャバルのオンラインカタログで。
www.scabal.com www.wallstreetmoneyneversleeps.com
2011年春夏トレンド
明るいスタイル
2001年のメンズ・ファッションは、スキャバルの生地と既製服の新作でよく表現されているように、 自信に満ちたスタイルと鮮やかなサマーカラーで陽気な雰囲気が漂う
(写真) スキャバルの3つのカラーテーマ
生地
スキャバル製品の中心であるスーツ地は、 2011年春夏には5種類の新作が登場します。「明るい色彩が復活し、2011年はライトブルーとミッドブルーが存在感を増すでしょう。」と生地デザイン担当のノラ・クレーマーは語ります。
Caravelle(カラベル):出張が多い男性に喜ばれる、軽量でシワになりにくいウールとマイクロファイバーの生地。240gと軽く、無地とストライプの定番カラーで展開。 Heroic(ヒロイック):基本に返った 280g生地。(スキャバルがスーパー 100’sを世界にさきがけて発表した時のような) 1960年代の復刻版。特別な仕上げ等をほどこしていない、品質重視のシンプルなクオリティ。全 57製品はカラフルで、ファンシーチェックや、赤・青・黄・ダークブラウンのコントラストの強いストライプ、セミプレーンがあります。 Mirage(ミラージュ):スーパー130’sから140’sにアップグレードされ、従来よりも更に軽い210g。平織りの丈夫な生地で、ベージュ系、グレー系、ライトブルー系を中心に全部で 31品番で構成。 Homer(ホーマー):スキャバルが初めてミンクの柔らかさを加えた製品。高級感のある綾織の 230gスーパー150’sウールで、ファンシーチェック、ストライプ、セミプレーンの34品番あります。 Eos(イオス):スーツ地の更なる革新を遂げた、” Eos”「ボックス・コレクション」は、今シーズンの最高級ライン。シルク混の非常に柔らかなスーパー 180’sは全16種あり、グレー・ライトブルー・ベージュの明るいファンシーストライプと、艶のあるミッドブルー、ダークブルーのクラシック系が揃っています。ビジネス・ウェアのカジュアル化や、スタイリッシュで融通のきくレジャーウェアの人気に合わせて、サマー・コレクションでもジャケット地が注目されています。 Mosaic(モザイク):2010年と同様に “ Mosaic”は 3タイプ(スーパー130’s、スーパー100’s、クールウール)を販売していますが、新コレクションは明るく新鮮でカラフルになっています。名前が示すとおり、ファンシーなウィンドウペーン、ヴィシーチェックやグレンチェックがコントラストの強い白-ブルー、黒-ブルーの配色で揃っています。 St. Tropez(サントロペ):カジュアルな麻とコットンのライン。リラックス感のあるデザインが特徴で、ピンクやグリーンを含むファンシーカラーをウィンドウペーンやヴィシーチェックに使用しています。素材はさまざまで、麻、デニム、コットン、ウール、シルク、カシミヤをミックス。ダブルフェースの生地は流行のソフトジャケットに理想的。
無地
Cashmere Cotton and Pure Cotton(カシミヤ・コットンとピュア・コットン):250gカシミヤはナチュラルなベージュ、ブラウン、オフホワイトの色展開。コットン100%は3種類あります。(ミントグリーン、赤、ライトブルーのファンシーカラーの220gサテン織;260gの定番品;新たにダークグリーン、赤、ダークブラウンを加えた幅広い色展開の300g)。 Pure Linen(ピュア・リネン):100%リネンの3コレクションで構成。まず、お洒落な delave(デラヴェ=フランス語で淡い・洗いざらしのという意味) 250gタイプはオレンジ、ローズ、赤、ブルーの14種。二つ目は定番カラーの260g。最後はヘビーウェイトのアイリッシュリネン(伝統的な 75cmの半幅で200g)がクラシックなナチュラルカラーのベージュ、オフホワイト、ブルー、黒、グレーで展開されています。
カットとカラー 2011年春夏の既製服コレクションは3つのカラーテーマで展開。スーツやジャケットのデザイン、コーディネートするシャツや小物に合わせて配色をセレクトしています。
グレー、ブルー、ベージュ一番の注目は上品なグレー -スカイブルー、グレー-ベージュの組み合わせ。ビジネスとカジュアルの二つの違った方向性があり、ビジネス系では、英国の夏空を想わせるグレー系とブルー系のウールのスーツが基本。ここはスキャバルの得意とする分野であり、時を超えてエレガントな無地、ストライプ、チェックが揃っています。フォーマル感を抑えると、麻やコットンなどの素材から幅広く選べる、ジャケットに行き着きます。グレーやブルーの地色に新鮮な白やベージュを添えたチェックが主流です。初登場以来人気のソフトジャケットは2011年も存在感があります。スキャバルが ” giacca-camicia”(ジャッカ・カミチア =イタリア語でシャツ・ジャケット)を台襟、肘当て、ボタンホールなどの幅広いオプションを付けてカスタマイズしたことも成功の一因といえます。
ピンクとスカイブルー第二のテーマはサマーピンクとスカイブルーの新鮮な組合せ。ジャケット、ソフトジャケット、シャツ、ネクタイ、ニットウェア、スカーフに焦点をあてた、活気のあるカジュアルなコレクション。
オレンジで遊ぶ第三のテーマはセミカジュアルのベージュとダークブラウンである。ジャケットやスーツの地色のブラウンやベージュにオレンジのアクセントを加えて温かさと心地よさを演出します。両方のカラーがダブルフェースのボンバースタイルジャケットにぴったりで、夏の新作のリラックス感が伝わってきます。
結ぶ楽しさ女性は本能的にスカーフの着こなし方を知っており、ありがたいことに男性にそれを教えてくれます。これまでのように肩に羽織ったり、首に巻いてコートの襟元にしまい込むのではなく、今の男性はスカーフを結んだり捻じったり、首の周りに巻いたりして、ネクタイの代用とすることが多い。男性はスカーフがファッションのポイントとなるカラフルな小物として、役に立つことにやっと気付いたのです!
細身の継続 2011年のカットについて、スキャバルの販売及び製品部長オリヴィエ・ヴァンダー・スロック氏は語ります。「昨年は英国調が復活し、これがしばらく続きそうです。英国調と言えばクラシックで伝統的なフォーマルな感じですが、スキャバルのコレクションはサマーカラーと新鮮さを打ち出しています。」(スキニーではない)細身ルックが、短めのジャケットとプリーツなしのパンツの組み合わせで継続します。(ただし、よく見るとプリーツや幅広ショルダーがやがて再登場する気配がうっすら感じられるでしょう。)「今年も細身ルックは見かけの3ボタンジャケットで提案するのがいい」とスロック氏は言います。「折り返した衿が第一ボタンを隠すので、3ボタンでも実際に見えるのは二つだけ。ウエストに向けて引き締まったラインになり、細身のエレガントなルックを際立たせるのです。」
スキャバルのお薦めオリヴィエ・ヴァンダー・スロック氏が最新の個性あるスタイルについてアドバイスする
Bespoken:来夏は何を着ればよいでしょう。スロック氏:亜麻やコットンなどリラックス感のある軽い生地がとても流行しています。同時に、ウール100%の人気も復活してきています。シワの寄った服を好まない人もいますからね。赤やオレンジなどの鮮やかな色も存在感を発揮します。今の着こなしで一番良く見られる間違いは?公平に見て、「間違い」なんてほとんどありません。遊び心のある着こなしをすればよいわけで、スーツジャケットにジーンズやコーデュロイを合わせても誰も批判しないでしょう。それでも、幅広ジャケットや、短すぎたり長すぎたり太すぎるパンツは NG。そのあたりは、良いテーラーがアドバイスしてくれるでしょう。
ジャケットはおしゃれな男性の必須アイテムです。理想のジャケットとはどんなものでしょう。着心地がよくアウトラインがエレガントなジャケットです。今のファッションでは肩を補正するのが普通ですが、肩は狭すぎても広すぎてもいけません。誂え服のいいところは、問題点を補正して肩を整えることができることです。初歩的な基準としては、ジャケットの落ち感があります。背筋がぴんと伸びている人は後身頃丈が長すぎない服がよく、前かがみの人には後身頃を長めに仕立てて前の線に合うようにします。よくやる間違いで、簡単に直せるのは、2ボタンホール或いは3ボタンホールのジャケットでボタンを全部留めてしまうことなのです。一番下のボタンは留めません。この方がエレガントだし、服のプロポーションが際立つのです。
ネクタイは有り、無し?ネクタイは、特にしゃれたポケットチーフを合わせると洗練された印象になるので、個人的には賛成派です。でも、ネクタイの幅には注意が必要です。ルールはジャケットのラペルと同じ。一般的にはネクタイもジャケットラペルも細いものが良いとされていますが、トム・フォードのような仕立ての芸術家がこれを覆しました。彼は幅広ネクタイを再び作り始めたのです。ベース部で幅7.5cmが標準ですが、 10年前は9.5cmでした。フォードが現在作り出すネクタイの幅は 11cm。もちろん、それぞれのデザイナーが独自の解釈を持っています。
どんな靴を履けばよいのでしょうか?どんな服を着るにしろ、靴は清潔感が必要です。夏は、趣味が良ければコットンのスーツにテニスシューズを合わせてもいい。革靴やスエード靴は大げさでなくエレガントですが、ブルーやグレーの靴を選んでみてはいかがでしょう?以前はグレー系のスーツには茶色の靴と決まっていて、ブルーはだめだったのですが、今はOKです。但し、こういった靴はネクタイ、ポケットチーフ、ベルトと色を合わせなければなりません。
(写真) 靴、ジャケットと袖、肩は、パーフェクト・ルックを完成させる三大要素