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羊からショップへ
天国の結婚
スキャバル2008年春夏の生地コレクションの話題は? その理由は?
スキャバルのブリュッセル本部のデザインとクリエーション部門の責任者、マイケル・デイ (MICHAEL DAY)氏に聞く。
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「新作の話題は間違いなく“SUNRISE” (サンライズ)。」デイ氏は説明します。「スーパー200’sウールとシルクを50%ずつブレンドした生地で、高級紳士スーツ地の最高峰。柔らかな感触、軽さ、美しい光沢が特徴。
“SUNRISE” は英国ハダースフィールドにあるスキャバルの自社製織工場で生産されます。デリケートなウール・シルク混の紡績と織りは大変な労力を要する作業で、この快挙はまさに「天国の結婚」といえます。結果はその努力に値するもので、 “SUNRISE” は近年開発されたスーツ地の中でも傑出した存在です。」
ミクロン云々は話の半分でしかない
“SUNRISE” は重量わずか220gのきわめて柔らかな生地です。ウール繊維のミクロン単位の細さ(1ミクロンは1mmの1000分の1)のみが品質の尺度ではありません。「皆がミクロンばかり取り上げすぎると思うのです。羊毛繊維の縮れや長さも高級生地を作るうえで同じくらい重要なのですから。」
“SUNRISE” は28種類の高級感のあるデザインが明るい色使いで展開されます。特に明るいグレー系やベージュ系は中東や東南アジア市場で高い人気です。「優れたデザイン性により、 “SUNRISE” は非常に柔らかくスタイリッシュでカラフルな生地に仕上がっています。」とデイ氏。2008年初めに全世界65カ国で発売されます。
光沢のある生地への需要
「シルクでは、新作 “SLEEK” (スリーク)があります。テーマは、若い世代向けのお洒落で理想的な既製服地。」 「光沢」が特徴で、コレクションは「スーパー120’sウール & シルク」、「ウール & 20% シルク」の二種類で構成されます。いずれも上品な光沢が素晴らしい。
スキャバルの新製品作りの指標となる需要の変化には、上質ウールの人気の高まりがあります。2~3年前まではエリート達が来ていたスーパー150’sウールのスーツは、今ではかなり一般
化しています。
デイ氏曰く、「このため2008年初めに “PRELUDE” (プレリュード)を発表します。これはスーパー160’sウールのスーツ地で、幅広いカラーとセミファンシーデザインを揃えています。市場の期待の変化に応じて中間ラインの生地を更に充実させた製品です。」
最新の技術
「我々の新製品は市場の情報だけに影響を受けて作っているのではありません。」例えば、ブレザー用のウーステッド・ピュア・ビキューナの生地は製造技術の革新により実現したもの。海抜5000メートルのアンデス高地に生息するビキューナ・ラマは最高級の希少天然繊維ですが、繊維が短いためファイン・ウーステッド・ヤーンの紡績は今まで不可能でした。
「しかし今では長繊維の手選りを経て、最新の機械でウーステッドヤーンを紡績できるようになったのです。」その結果、美しく柔らかなピュア・ビキューナのブレザー生地が誕生しました。
涼しさの維持
今年スキャバルはスーパー130’sウールの軽量サマースーツ地 “MIRAGE” (ミラージュ)を発表します。平織りと、蒸し暑い季節に涼しく快適なトロピカルの2通り。「織りの細かさ、220gのウェイト、淡色~暗色、黒までの色揃えにより “MIRAGE” は特にアジア市場で受け入れられるだろう。」とデイ氏。
「最後に、”QUATTRO” (クアトロ)は、10色の無地で展開される、夏の軽量スーツ地のコレクションです。」4-Ply(4本撚り)のスーパー130’sウールを多孔質の空気を含んだ織りで仕上げています。上質なフレスコ風の生地で、通気性がよく、防シワ性にも優れています。
5000以上の生地をあなたのスクリーンに
ダークブルー、ヘリンボーンの軽量カシミヤという条件でビスポークスーツを作ると考えてみましょう。それなら、www.scabal.comが提供するConsumer Fabrics Catalogueで5000点を超えるスキャバル生地から選ぶととても簡単です。
ここには伝統のものづくりの技法と最新技術が融合されています。ツールを作るのに32,000のファイルが作成され、100ギガバイトのデータが生成されますが、これは通常の写真100万枚、CD20枚に相当するデータ量です。すべての生地を実物大で見ることができ、拡大表示も可能。個々の生地には豊富な追加情報が付随。また、スペシャル・コレクションの生地の世界も開くことができます。
Fabrics Catalogueはフランス語と英語で提供され、スキャバルのウェブユーザーは定期ニュースレターで最新ニュースを知ることもできます。
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ハダースフィールドの織りの魔法
スキャバルでは当初から、最高にエレガントな服に生命を吹き込む生地を織ってきました。いかに多くの競合会社が海外にその生産拠点を移そうとも、その風潮に強く反対し製造設備を海外に移転させることを拒否してきました。スキャバルのハダースフィールド工場、品質を最重視するBower Roebuck (ボアー・ローバック) 社に生産の拠点を置いています。
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新製品を世に出すには何年もの経験、何世代にも及ぶ経験が必要
ルーツは何世紀も前のヨークシャーに遡る
Bower Roebuck社は、イングランド、ヨークシャー地方の中央に位置し、過去500年間繁栄してきました。ヒースが生い茂る荒れた丘陵地には、世界でもっとも緩やかな水流があります。汚染のないこの水は、目利きの期待に応えるデリケートな生地を作るのに最適な水です。
12世紀、フランダースの織工が英国に渡り製織技術を伝えました。1536年には修道院が解体され、とうもろこし工場の独占が解かれました。この時、工場の溢れるエネルギーを更に強化して機織機を動かし、この地に繊維産業が誕生しました。
18~19世紀には技術の進歩が社会と経済に劇的な変化をもたらしました。1899年には工場主BowerとRoebuckがGlendale Millsと改名し、後にBower Roebuck & Co., Ltd.と社名変更されました。1973年以降はスキャバル・グループの一員となり、品質重視の姿勢を一貫して事業を拡大、投資し、栄えました。今日、この工場は欧州でも最も先端的な織工場であり、最新のドルニエ(Dornier)織機を18台稼動させています。最近ではBenninger Versomat社製の整経機が英国で初めて設置されました。
遺産と伝統
古くからBower Roebuck社の敷地内ではヨークシャーの職工が何代にもわたって育ってきました。常務取締役の、ロナルド・ホール (Ronald Hall)
氏は言います。「わが社の遺産は素晴らしく、職工の技術はとても一人の人間で習得できるものではありません。それは単なる知識の引継ぎや経験の共有ではないのです。それは彼らが居住する土地、家庭、家族、歴史の一部であり、我々の内に生まれる本能的なもの。最先端の機械や技術をもってしても、他の工場では我々の真似はできない。製織は技術を要する技能だが、最高の布地を作るのは芸術です。この組合せがあるからこそ、Bower Roebuckは他社にはできないこと - 特に、極細ヤーンを使って稀有な織物を生産すること - をやり遂げることができるのです。」
Bespokenの本号でスキャバルの生地部門重役、マイケル・デイ氏が紹介する製品、例えば、”SUNRISE” や “FOUR SEASONS”
は、先端技術をヨークシャーの職人技術と調和させようとするたゆまぬ努力の結果です。デイ氏はハダスフィールドの職人と織業者に深く感謝しています。「新製品を生み出すには何年もの経験、何世代にも及ぶ経験が必要。 “FOUR SEASONS” では織りと仕上げで何度も試作を繰り返した。最終的には繊細で丁寧な「洗浄 (scour)」により完璧な製品が出来上がった。」
スキャバルとBower Roebuckは相前後してテキスタイル産業の基準となりました。1970年前半、二社はスーパー120’sウールの製造に世界で初めて成功。その10年後には(当時として
は画期的な15.3ミクロンの)スーパー150’sウールを先駆けて導入しました。これらは世界的に認められた品質と優良の基準です。Bower Roebuckは現在、以前は作ることが不可能と言われていたヤーンを使用しています。
オーストラリアの羊毛農場からヨークシャーの織工場へ
近年スキャバルはBower Roebuckの最も重要なデザインとサンプリングの近代化に多額の投資を行っています。コンピュータ化されたデザインサンプル織機を導入した会社はこの生産方法を大幅に進歩させました。超近代的な機械のうち5台が既に設置されています。ロナルド・ホール氏は言う。「違いが出るのは、やはりデザインチームの経験だ。スキャバルの定評はそこにある。弊社デザイナーが長年作り上げてきた洗練と精緻さを機械は達成できない。スポットライトの当たらない場所で謙虚に物静かにデザイナーと織技術者で世界が羨む生地を作る。徹底したトレンド分析と新たな革新なくして、これは実現不可能だ。デザインチームは希少ウールのサプライヤーと協力して新製品の品質、風合い、機能性を最適化するよう努力を重ねている。」
最高級原材料の生産者がその製品をヨークシャーの織布工場に供給します。はるか昔フランドル地方の織工から今日のスキャバル社のブリュッセル本部まで、彼らの共同作業の結果、製品は全世界の紙面を賑わす有名人たちにいつの世も愛用されます。
J.O. & R.H.
企業概要
− 従業員数:100名
− 敷地面積:3000㎡
− 製織装置:20式
− 年間生地生産量:30万メーター
− スキャバル製品の大部分を製造: “PRIVATE LINE”, “DIAMOND CHIP”, “GOLD TRESURE”, “SUMMIT”, “LAPIS LAZULI”, “TRIBUTE TO DALI”, “SUNRISE”, “FOUR SEASONS”
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世界を駆けるスキャバル
ヒューマン・タッチ
プレーボーイ誌の「米国の10大メンズストア」に、MR誌の「米国の最も素敵な25店」に選ばれたMitchells/Richards/Marsh’s。注目されるのはどのような点だろう?共同社長のBob Mitchell氏にインタビューしました。
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Bespoken: Mitchellsは家族企業ですが、創立者についてお聞かせください。
Bob Mitchell: 祖父のEd Mitchellが1958年コネチカット州ウェストポートに衣料品店を開きました。コミュニティと深くかかわり、人々の生活に関心を寄せていたのです。店をコミュニティの一部と考えていました。
私は三代目ですが、店の事業が発展するに従いコミュニティも発展して豊かになりました。
家族企業としての小売店はなかなか三代続かない。あなたの成功の秘訣は何でしょう。
事業は個人サービスの上に成り立っています。高品質の国際的製品、専門技術、しかし違いが出るのは弊社の顧客サービスのレベルの高さと専門家としての意識です。我々は顧客に他に真似のできないショッピング経験を提供します。二人の息子と六人の孫が事業に従事していますが、家族の価値観を維持できていると思います。
印象的なお店ですね。案内してください。
ニューヨーク市の内外で3店舗を営業しています。最初のMitchell of Westportは3,300㎡の贅沢な店で紳士と婦人を半分ずつ扱っています。1995年に評判が高く客層も似たRichards of Greenwichを買い取り、改装して2,700㎡に拡張しました。2005年からはロングアイランドにMarsh’sと共に存在感を与えています。
社員は200名、収入は7500万ドル超、米国における独立高級衣料品店としては最大級です。
誂え服のビジネスは?
3店舗はすべて高級店で、インショップ設備を備え、優れた誂えビジネスを展開しています。シャツとスーツの売上の3分の1は誂えで、米国では品質重視のオーダーの人気が高まっています。
客層はどのようですか?
殆どがニューヨーク市で働く人たちで、多くがFortune誌の上位500社に勤務するスーツ派です。
私どもの店で買い物していただけるのは、個人サービスが行き届いているからでしょう。例えば、私どもはお宅に伺い、ライフスタイルを高める着こなしをアドバイスし、お客様の記録を保存します。品揃えや週末営業についても利便性を高めています。
職業柄、顧客のプロファイリングでは常に先を行っています。販売員はお客様との会話を通してニーズを探ります。現在は彼らに計算ツールを与えて効率的に仕事ができるようにしています。
そのサービスによって顧客を呼び戻すのですか?
ニューヨーク郊外には高級紳士衣料を売る良い店が多く、我々の顧客は、アメリカ全土はもちろん、全世界を飛び回っています。彼らがわざわざ私ども店で高価な服を買うのは、優れた店員と高品質の製品はもちろん、上質な買い物経験ができるからです。
アメリカ人は再びドレスアップする装いに回帰しているのでしょうか?
そうです。しかも、ここ2~3年の傾向ではなく、大きな変化が起きています。体に沿ったダークでドレッシーなスタイルが人気です。
90年代にはオフィスのカジュアル化が起こり、ボリュームビジネスが成長しましたが、2~3年前からスーツが復活し始めました。ジーンズ派がドレスパンツ派に戻り、ジャケットとパンツを着ていた人々がスーツに戻ったのです。
「スキャバルの生地で我々は競争の優位に立てる」 - David Lynn、カスタム事業部長
Mitchells/Richards/Marsh’s
ここ5年間にカスタム事業が大幅に伸びています。会社の成長、特にカスタム事業の成長は、スキャバルのような国際的高級ブランドが牽引しているのです。しかし、お客様の好みが常に変化し、誂え服市場は競争が激化しているため、サプライヤーとの関係が今まで以上に重要になっています。
スキャバルは、ロンドンのサヴィル・ロウはもちろんのこと、香港の高級テーラーや紳士服店、コネチカット州でも、紳士服地の世界的ブランドとして認知されています。定番から贅沢な生地までコレクションは幅広く、弊社店舗でも応用範囲の広い着用頻度の高い製品になっています。
弊社店舗で心がけているのは、一人一人のお客様に合ったショッピングを経験していただくことです。私は、オーダー服の世界はこの考え方の極致だと考えます。スキャバルの生地はオーダー服事業における個人別サービスをたやすくするのみならず、オーダー服市場において専門店やデパートとの競争で我々を優位に立たせてくれるのです。
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(写真上)レオナルド・ディカプリオが映画「タイタニック」で着用したスキャバルの生地を使用したスーツ
(写真下)左から、「カジノ」「タイタニック」「ゴッドファーザー」で使用されたスキャバルの生地を使用したスーツ
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ハリウッドはスキャバルがお好き
アメリカン・ドリーム。人々がしばしば心に抱くものです、一体どれくらいの人が実現したのでしょうか?
ニューヨークに拠点を置く代理店、Neal Boyarsky of Fabric Czar USA Inc.(以前はBeckenstein Inc.として知られる)のお蔭で、スキャバルは実現させています。およそ40年間にわたりスキャバルは映画のヒット作に衣装で貢献してきました。それは1970年代前半に彼が絶好のタイミングで絶好の場所にいた最適の男性だったからです。彼の計り知れない援助を受けて、スキャバルは銀幕のスターたちに衣装を提供するサプライヤーとしてハリウッドで名声を確立しました。
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評判:ブランドとニューヨーク支店
冒険は1972年に始まりました。フランシス・フォード・コッポラ監督の映画「ゴッドファーザー」に生地を提供する、名誉あるサプライヤーに選ばれたのです。スキャバルの世界的評価とニューヨーク支店の立地が大手映画会社にこの決断をさせました。マーロン・ブランドとアル・パチーノがこの映画のために特別にデザインされたスーツを着用しました。「ゴッドファーザー」は、スキャバルとハリウッド映画界との長期にわたる緊密な関係の発端となった映画です。
Neal Boyarsky氏は言います。「スキャバルとFabric Czar社は米国で40年近く超一流の衣装デザイナーと仕事をしてきた。我々の評価はきわめて高く、映画会社との交渉ではいつも最優先の位置に立つことができる。」
優れた映画のための並外れた生地
スキャバルの社長グレゴー・ティッセン (Gregor Thissen) 氏は、「私達のクリエィティブ・スタッフの願いはただひとつ。並外れた製品を作ることです。」ティッセン氏は「並外れた」という言葉の真の意味を知っています。スキャバルがデザインし市場展開する生地と紳士服は、技術と美しさの両面で群を抜いています。例えば、22 carat goldの金糸を織り込んだ “GOLD TREASURE” (ゴールドトレジャー)、顕微鏡レベルの微粒子を織り込んだ “DIAMOND CHIP” (ダイアモンドチップ) と “LAPIS LAZULI” (ラピスラズリ)。「これに匹敵する技術力と柔軟性を兼ね備えた競合相手は、5社あるかどうか・・・これが、ハリウッドが我々の製品に関心を寄せ、常に新しいデザインを要求する所以なのです。我々は年月をかけて真に親密な信頼関係を築いてきたのです。」とティッセン氏は語ります。Neal Boyarsky氏は次のように付け加えます。「Fabric Czar社は歴史のそれぞれの時代ごとの服装を熟知しています。そのため、私は映
画業界やブロードウェイから最も名高い服装の時代考証の専門家として信頼されているのです。」
スキャバルは衣装を提供しアドバイスする
2004年には、エキセントリックな億万長者ハワード・ヒューズの人生をレオナルド・ディカプリオが演じた、マーティン・スコセッシ監督の “THE AVIATOR” (アヴィエーター) が封切られました。
Neal Boyarsky: 「75年前を取り扱った映画に使う生地を探し出し、実際に生地を作り、その時代さながらのスーツを創り上げようとする作業を想像してください。当時の雰囲気を出すために染色したり、わざと染みをつけたりします。銃撃される役には同じ服が複数必要になります。バリー・レヴィンソンの “BUGSY” (バグジー: 1991)では最後にウォーレン・ビーティが殺される場面では、このシーンだけでプリンス・オブ・ウェールズの生地が130ヤード以上使われました。」
グレゴー・ティッセン:「この映画では『競走の20年代』を連想させる衣装が必要だった。80年前に作られた生地を探して社の文書庫に入り、古い文献や映画も調べました。ヨークシャーにある我々の織工場が昔の生地を寸分違わず再現することができたのです。」
高級紳士服地の世界のリーダーであるスキャバルは大ヒット作に生地を提供するだけにとどまらず、コンサルタントとしての役割も果たしています。ティッセン氏の言葉を借りれば、「単なる生地の提供を超えた力強いコラボレーション」 といえます。
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2001年、 “THE TAILOR OF PANAMA” (テーラー・オブ・パナマ) を制作していたジョン・ブアマン監督は、ピアース・ブロスナンとジェフリー・ラッシュが着る生地のみならず、テーラーの日常生活についての情報も求めてきました。「このスパイ映画では仕立屋の世界でのアクションがある。我々は、テーラーの日常業務に関する情報をはじめ、ミシンや鋏、テープメジャー、定規などの小道具、数多くの生地や見本帳などを、撮影場面のリアル感を出すために提供しました。」とBoyarsky氏は説明します。
ゴッドファーザーとゴッドサン
(名付け親と名づけ子)
以前はBeckerstein Inc.として知られる、Boyarsky氏の会社は彼の祖父の名前にちなんだものでした。彼らの立身出世物語は: 1900年代初頭には手押し車で服地を売り歩いていたポーランドの移民が、現在は “The Fabric Czar” (服地の大御所)として高級紳士服業界で名声を博しています。Boyarsky氏は言います。「なぜスキャバルなのか、なぜスキャバル・オンリーなのか、とよく訊かれます。それは忠誠心でしょう。ハリウッドとブロードウェイで服地のサプライヤーとして名声を得ることができるのは、ひとえにスキャバルとのつながりがあるからです。それは37年前、私のゴッドファーザー (=名付け親)であるJ. P. ティッセン氏にはじまります。それは現在も彼の息子であるグレゴー・ティッセン氏との関係に引き継がれているのです。」
グレゴー・ティッセン氏:「Boyarsky氏とハリウッドで仕事をするのは人間的にも仕事の面で
も充実感にあふれています。事業の協力関係だけでなく、国際的な名声や品質に関する信頼を強化してくれるのです。」撮影でスキャバルの生地を着た俳優たちはその素晴らしさに魅了され、必ず自分自身のために注文します。現在、ロバート・デニーロ、ジャック・ニコルソン、トム・クルーズ、レオナルド・ディカプリオ、ベン・アフレック、コリン・ファースらが常連になっています。彼らは、「我々に大満足を与えてくれるものがあるとしたらそれはこれだ。」とグレゴー氏の肩をたたくのだそうです。
J.O.&J.S.
スキャバルの生地は最近の映画にも多く使われています。「カジノ・ロワイヤル」、「テーラー・オブ・パナマ」、「アヴィエーター」、「タイタニック」、「カジノ」、「メン・イン・ブラック」、「アンタッチャブル」、「アポロ13」、「バットマン・フォーエバー」と「バットマン・リターンズ」、「ドラキュラ」、「ゲット・ショーティ」、「ゴールデン・アイ」、「アダムス・ファミリー」、「ザ・ファーム」等。このほか、「ウォールストリート」、「ザ・モッブ」、「ゴッドファーザー」の連作も。ブロードウェイでは、「ヘアスプレー」、「ザ・プロデューサーズ」、最近の話題作「ジャージーボーイズ」などがあります。
(写真下)Neal Boyarskyと息子のJonathan
(写真右上)「The Tailor of Panama」のピアース・ブロスナンとジェフリー・ラッシュ
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2008/2009年秋冬の生地デザイン
四季をひとつのコレクションで
スキャバルの服地部門長である47才のマイケル・デイ氏は過去30年余りにわたりスキャバル・グループに属し、うち20年余りをブリュッセルの本部で勤務しています。毎シーズン新作コレクションをデザインする紳士は、穏やかな物腰で2008/2009年秋冬コレクションを見せてくれました。
(写真左)ブリュッセルにあるスキャバルの倉庫
(写真右)仕事中のDay氏
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今まで、ウーステッドビキューナ100%のスーツ地が作られたことはなく、スキャバルがこの快挙を成し遂げた
オールシーズンに向けた精錬
“FOUR SEASONS” (フォー・シーズンズ) は英国ハダースフィールドのスキャバルの織工場で作られた新作ブランドです。マイケル・デイ氏、「これはヴィヴァルディの四季のように、春・夏・秋・冬をカバーする大きなコレクションです。81種で構成され、すべて280gでスーパー120’sウールを使用しています。一年中毎日オフィスに着ていける生地。織組織と仕上げにより夏でも重く感じません。ヴィヴァルディが生きていたらその美しさに賛同するはずです。」
ヴィヴァルディの音楽がスキャバル・グループ社長J. P. ティッセン氏を鼓吹したのは確かですが、スキャバルは、紳士服地業界では「不可欠」の年中着られる服地を開発しました。紡績と製織の最先端技術が、一段と要求が厳しくなった世界市場のニーズにマッチしたのです。
国際グループとしてのスキャバルは、しかし、シーズンに合わせて生地を対応させるという国際性を持っています。マイケル・デイ氏は言います。「冬は雪が降り、夏は蒸し暑い地域に居住して仕事をしている顧客には、季節に合った生地を提供するのが当然です。ひとつのコレクションで全シーズンに対応するのは弊社としても今回が初めてです。」
“FOUR SEASONS” の特徴はオーガニック・ウールを使っていることです。オーガニック・ウールとは、除草剤や殺虫剤を使わない土地で、人工飼料に頼らずに飼育した動物が産出する天然繊維を言います。生産者はまた、動物が草を食む土地の持続能力を超えないよう配慮が必要です。
オーガニック・ウールの生産量はノン・オーガニックと比べてまだ比較的少ないですが、オーガニック式は広い意味での動物の福祉と環境保全の一手段であると言えます。できる限り人工化学物質を使わないことによって環境汚染に歯止めをかけようとしています。
自然保護
「生地には特殊な仕上げが施されています。高度な銀イオン技術を使った複雑な仕上げ、生地を衛生的に新鮮に保つことができる。”FOUR SEASONS” の仕上げ工程で、銀の微粒子を慎重に生地に埋め込むのですが、洗濯やドライクリーニングも可能で、半永久的に防護効果が持続します」とデイ氏。
また、”FOUR SEASONS” では、生地の高級感やソフトな感触を損なうことなく、防水・防汚機能が付加されています。ワイン、水、珈琲などの液体はよく溢れたりこぼれたりするもの。織り地部分の汚れも簡単に落とすことができ、生地は新しい雰囲気のままです。「いくつもの仕上げ工程の途中、繊維一本一本のまわりに目に見えない分子コーティングを均一に施す画期的な処理がおこなわれ、高機能バリアーが形成されます。生地の端正さや質感を損なうこともありません。」とデイ氏。
ウーステッドビキューナ100%のスーツ地:繊維を選り分ける秘訣とは?
08/09AWの生地の話題は「ウーステッドビキューナ100%」デイ氏は熱く語ります。「超細のウーステッドビキューナを使ったスーツ地はまさに驚きです。今まで、ウーステッドビキューナ100%のスーツ地は一度も作られませんでしたが、スキャバルがこの快挙を成し遂げたのです。ウーステッドビキューナの繊維は紡績の前に一定の繊維長さに選り分けます。長繊維のビキューナはペルー産で、これが結構難しい。だから、クラシックなデザインの小規模な限定生産になります。スキャバルが生産する最高峰の生地で、当然値段も突出しますが、それは実に控えめな贅沢であり、鑑識眼のある専門家しか見分けることはできないでしょう。一度手に触れれば、その見事な軽やかさに驚かれるはずです。」
J.O.&K
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ニュース
2007年
スイス・プレミアムカー・アンド・ラグジュアリー・ショー (2007年8月23~24日)
大成功を収めたRaid Suisse-Parisの皮切りとして組織された「プレミアムカー・アンド・ラグジュアリー・ショー」にスキャバルが参加。オールドカーを集めた3日間の国際ラリーはバーゼルを始点とし、パリを終点として実施されました。レースは2007年春・夏の広報キャンペーンを補完する形となり、スキャバルの参加は必然でした。
「SCABAL No12」コレクションのプレス発表 (2007年8月28~29日)
各国のプレスをスキャバルのロンドン・フラッグシップ・ショップに招待して「SCABAL No12」を発表しました。この高級ラインは、サヴィル・ロウの厳格なビスポークの伝統に従って手縫いされたもの。ネーミングは英国らしさも反映していますが、サヴィル・ロウにある、フラッグ・シップ・ショップの番地にちなみます。
顧客向け生地カタログを発表 (2007年9月20日)
オンラインの顧客向け生地カタログには、5000種類以上のスキャバルの生地が掲載されています。MacとPCの両方でサイトのナビが提供されています。生地は実物大と拡大の両方を見ることができ、紺率、重さ、織地の解説つき。言語は英語とフランス語。
モスクワ店オープン (2007年11月24日)
Johnny Manglaniはモスクワとエカテリーナブルグで紳士服店を開いていますが、Uomo CollectionとExecutive Fashionの店は21世紀初頭のロシア人顧客の洗練された趣味を反映しています。スキャバルの高級製品を取り扱うことになったManglaniは、彼自身のスキャバル店で高級既製服と誂え服を求める声に応えています。
ドイツRTLのキャスターがスキャバルを着る (2007年11月26日~2008年6月30日)
ドイツのTV局RTLのトップキャスターがスキャバルを着ることになりました。Markus LanzがExplosiv(週日の18:00、土曜の19:00)で、Christof LangがNachtjournal((週日の23:30)で、Peter KloeppelとLothar KellerがAktuell(毎日18:45)で、Sascha TriefenbachがRTL II News(毎日20:00)で、オーダーメイドのスーツで登場します。
2008年度
PITTI IMMAGINE UOMO FAIR (2008年1月9日~1月12日)
[省略]
国際ファッションフェアシーズンの冒頭を飾る例年のイベント。スキャバルは2008年秋・冬コレクションを発表します。
スキャバル、2008年秋・冬デコパックの販売を開始 (2008年1月17日)
1月中旬にスキャバル2008年秋・冬デコパックの販売を開始する。このキットは小売業者が服とデコレーション・アイテムでショーウィンドウを飾るためにデザインされたもの。今シーズ
ンのテーマは「オーダーメイド (made-to-measure)」。
MUNICHFASHION.COM (2008年1月20~22日)
[省略]
スキャバルは業界内のメンズファッションフェアMunichfashion.comに企業顧客を喜んでお迎えします。スキャバルを知る絶好の機会で、2008年秋・冬コレクションを見ることができます。
企業間クロージングカタログの発表 (2008年春)
スキャバ